桜龍

「ふざけんな…」

隼人と対決をし、負けた男の意識があって拳銃を取り出していた

「紘っ！」

それにいち早く気付きあたしと蓮夜の盾になった隼人

――パンッ

目の前で隼人が打たれた

「ぐっ…」

その光景を見たあたしは、我を忘れその男の上に馬乗りになり殴り続けていた

男の顔が原型を留めていないくらいに

あたしが気づかない時に聖さんが他の構成員を連れて来てくれた

止められてあたしが男を…

殴り殺してしまったこと気付いた

『あ…あぁ…』

自分の手が血だらけなのをみて崩れ落ちてしまった

「紘…」

その小さな声に気付き隼人に駆け寄った

『隼人…どうしよう…あたし…』

あたしは、男を殺してしまったことことに動揺しながらも隼人を抱き上げた

隼人はあたしの頬に手を伸ばし

「大丈夫だ…」

隼人の出血が止まらない

『隼人…死なないで…ごめんね…』

あたしが気付けていたらこんなことには、ならなかったのに…

「俺は紘と連夜を守れたことを誇りに思ってるよ。」

『隼人…』

あたしは、初めて泣くという行為をした

「ふっ…泣けんじゃねぇか…」

泣きじゃくるあたしを隼人が優しく見つめる

「紘、大切なもんな命をかけて守るんだよ。後悔だけは、死んでもすんじゃねぇぞ…」

隼人はそう言って目を閉じてしまった

『隼人…いや、目を開けて！隼人ー！』

あたしの叫び声に気付き、聖さんが病院へ運んでくれたがその時にはもう死亡していた

『隼人…ごめん…』

隼人の葬式を天龍会で行った

隼人を火葬し弔った

「紘…」

隼人の仏壇の部屋に籠るようになったあたし

聖さんがその部屋に入ってきた

『あたしは…これからどうなるんでしょう？』

あたしは、人一人殺(あや)めてしまっている

「あの事件は大事にはなっていない…紘が殺めてしまったあいつはこの世にいなかった存在として処理した。だから、大丈夫」

そっか…

天龍会とも大きな組なら人一人殺してしまっても消すことが出来るんだ

『でも、隼人を殺してしまって罪は償います。』

償いはしなければ…

「殺したってお前が殺したわけじゃねぇだろ！それに償いって…何をするつもりだ…」