爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「例えばさ、高島礼子みたいになりたくても、我に返るとムッシュかまやつにしか見えなかったり」


…ムッシュかまやつ?



「DAIGOみたいになりたくても、気付くと…なだぎ武になってしまったり」


…なだぎ武…お笑いのか?



つか、美月は何が言いたいんだ?





美月は一つ、深いため息をついた。
気の毒そうな眼差しで俺を見上げ……。


「だから仕方ないんだよ?大泉洋も…」
「髪型の話だったの?!」


前置き長いな!
例えも極端だ!

いや違う!
問題は髪型じゃなくね?!

美月が問題なんだよねぇっ?!
なのに何で俺、美月に髪型について諌められてる訳?!



「仕方ないとか美月が言うなよ!」
「何だ?慰めて欲しいのか?高校生にもなって、キモい奴だな」
「キモい?!」


俺ってキモいの?!



「あ〜キモいキモい。星路くんって!……特に髪型が」
「お前がやったんだろっ!!」



信じらんねぇっ!
何なの?この人!
言いたい放題じゃねぇかよ!


とても心理学を学ぶ人間とは思えねぇ!

言葉の使い方から間違ってる…いや、根性からが曲がりくねってるんだ!
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