爆走姉貴ー星路の苦悩ー

キャバクラへ行こう

「はよ〜、星路」


学校へ着くと、親友の岡村拓也が手をかざして笑いかけてきた。


だが、美月のダメージが残っている俺には、そんな爽やかな拓也の挨拶には気乗りしない。


実際、バスケ部のエースである拓也は爽やかだ。
他校にまでファンがいる。

日本人離れした掘りの深い顔立ちは、男の俺でもカッコイイと思えてしまう。

日本人離れ…拓也はハーフだから当然か。


拓也の母は、フランス人。
外交官の父を持つ拓也は、幼い頃は外国で暮らしていた。
英語とフランス語がペラペラなんだ。


顔も語学力も嫌味にならないのは、拓也の爽やかさがあってこその魅力。




だが拓也よ。

今の俺には、お前の爽やかさが眩し過ぎて痛い。





「…はよ」



呟く様に返事をし、自分の席に倒れ込む様に身体を預ける。


疲れる……。
朝から疲労感だ。

新学期なのに。



「何だよ、元気なくね?」
「…朝から独裁者の演説を聞かされて」
「は?」
「いや、こっちの話だ」



伝えた所で、美月のひどさは伝わりきらないしな。


つ〜かもう…マジ有り得ねぇ!



思わず机に顔を突っ伏し、ため息……。
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