爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「だっだだだだダメだ!」
「どんだけどもるんだよ?」
「俺は美鈴を裏切れないっ!」



可愛い彼女がいるのに、キャバクラなんか行けるかぁっ!




「ダメだ!キャバクラは!キャバクラは空気が悪い!キャバクラはきっと鬼門だ!キャバクラは独立国家だ!キャバクラは…キャバ!キャバクラ!」
「キャバクラ連呼しすぎ」
「ホントは行きたいんじゃねぇの?」
「違う!!」



キャバクラなんて…男を騙す場所じゃないかぁ――!!



もしも行って、美鈴にバレたらどうする。

傷付けてしまう。

きっと泣かせてしまう。


大きな瞳に涙を溜めて、泣いてしまうに違いない。

星路くんなんて嫌い!って言われてしまうかもぉっ!


嫌だぁ―――!!


俺に背を向け、サヨナラを呟く美鈴。


キャバクラと幸せになってねと言いながら…。


ああ……美鈴!


行かないでくれ!
俺が悪かったよ!


戻って来てくれぇ!





「ぐああっ!美鈴…ゴメン!」
「また妄想入ったな」
「放っとけよ」



ダメだ!
やはり良く無い!


キャバクラは恐い場所なんだ。

絶対にそうだ!
本当の愛を失ってしまう!
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