爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「キャバクラでは会計の時、恐持ての黒スーツの男が出て来るんだろっ!」
「来ねぇよ」

「明朗会計を唱えておきながら…“12万になります”って言われて…“え?話が違うじゃん?一時間飲み放題5千円って言ったじゃん”“いやぁ、それは席代のみを聞き間違えたのでは?“とかなるんだよなっ!」
「ならねぇって」

「“じゃあ、お金取って来るよ…”“友達預かっておきますから”ってなって…お前ら俺を置いて……そのまま帰って来ないつもりで…」

「どこまで想像豊かなんだ!」
「俺らそこまで極悪かよ!」




………はっ!
しまった!

俺とした事が、親友であるこいつらまで疑うなんて!

美月の毒に、ここまで犯されていたのかぁっ!!



しっかり自分を取り戻すんだ!星路!






「悪ぃ…俺、前乗りしてたな」
「ホントだよ、追い付くのも大変なんだから勘弁してくれ」



うん、気をつけないと…。

深呼吸をして気持ちを静めよう。






「で、待ち合わせは何時にする?」

雅治が、わくわくしながら聞いてきた。




やっぱ行くのか?



「俺、やっぱキャバクラは…」
「何?マジ行かねぇの?」
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