爆走姉貴ー星路の苦悩ー
だってさ、俺は拓也や雅治みたいに、彼女はいても遊ぶ女はいるから…なんて割り切れねぇよ。



俺には、美鈴がいる。

大切にしたいと思う。





「行くだけだろ?別に何かある訳じゃねぇって」
「そういう問題じゃないんだ」
「行ってみなきゃわかんねぇだろ」
「行ってどうするんだよ。高い金払って、ジュース飲んで帰って来るだけだろ」



そんな時間自体無駄じゃないのか?




頬を膨らませ、断固として譲る気が無い俺に、拓也は苦笑いしながら肩に腕を回し、耳打ちしてきた。





「お前、そんな段取りばっか気にしてるから、半年たっても美鈴とキス以上になれないんだぞ?」
「―――っ?!」





……そうなんだ。

俺は、美鈴にキス以上はしていないんだ。


故意にじゃない。

俺だって男だ。
好きな女とは、Hしたいに決まっている。



だがしかし……タイミングが掴めないんだ!


色々考えている内に時間が過ぎてしまう。





美月にバレるのが嫌だから、まだ自宅にも誘ってもいない。


バレた日には、美月は全力でからかい、邪魔するに決まっているからな。



そんなんで半年……。
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