爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「いいから、星路謝れ」


くっ……!
美月の野郎、俺の親友達までマインドコントロールしやがって!


仕方ねぇ。
とりあえず…この場を丸く納めるには俺が謝るしか無いのか…。


「……すいませ…」
「リン、聞きたくないっ!」

美月は、耳を押さえて顔を背けた。


はあぁっ?!



「星路くんに謝って欲しくない」

……どういう事?
まぁ、俺も謝りたくはないけど。



「リンにも弟がいるから…星路くんに謝ってもらいたくないの」

美月さん…意味がわかりませんが?




「リンちゃん…弟思いなんだな」
「…拓也?」

美月の言葉には、そんな思いが含まれていないよね?
読み返しても、弟を気遣う台詞は一行たりとも入ってないよね?



「弟、やっぱリンちゃんに似てるんだろうね?」
「ううん…ヘタレなんだ」


ヘタレ?!



「でも病気持ちだから…リンは心配なんだ」

病気?
俺、健康だけど?
美月に与えられる生傷は絶えないけどな。



「病気持ちなんだ?何の病気?」
「うん……失禁なの」


失禁?!

つか、俺がですか?!


でたらめにも程があるだろ!
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