爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「この女ぁっ!!」
「はははっ!そんなパンチがあたるかぁ!」

早々と殴り合いが勃発したぁっ!


「はわわわっ!」

警察呼ばないと!
いくら美月でも喧嘩のプロ相手には勝てねぇに決まってる!

ジーンズをまさぐり携帯を取り出した。
震える指で110を押しかけ………。



「おらぁ!」
「あたんねぇっつってんだろぉが!」
――ボグッ!
「くらぁっ!」
――ドガッ!
「ぐわぁっ!」
――ドグッ!
「ちょっ…まっ!」
――ガキッ!
「止めっ!嫌っ!」
――バキッ!ガッ!
「止めて…下さいっ…!」
――ガツッ!バゴッ!
「いやぁぁっ!」




殴り合いを目に…俺はダイヤルしかけた携帯を落とした……。






美月さんが優勢なんですけどぉ――――っ?!









数分後……地面にはボロ雑巾の様に成り果て、すすり泣くチンピラ様の姿が…。


「っち!もう片方のヒールも折れちゃったじゃん」


買って返せよなと、ヒールの折れた靴でチンピラ様の頭を叩く美月の姿!




どんだけ最強なんだよ!美月!


俺は、今更ながら恐怖感に飲まれる。

恐ろしい……。
我が身内ながら恐ろしい奴!
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