爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「どうだ、理解したか?エッグヘッド。世の中、敵わない相手がいるという事を」

恐い…俺も美月が恐いぞ。


「俺の弟に手を出した罰だ。思い知ったか」





………え。


俺の………弟に…?




じゃあ……何?
美月は俺を助ける為に、チンピラに向かってきたって事か?

あの美月が、自己チューで傲慢でわがままで、自分だけが得をすればいいという美月が……自分の得にならない事を…。

自分の為じゃなく、俺の為に……弟の俺の為に……。


戦ってくれたのか?
助けてくれたのか?


美月に肉親の情があったなんて……。



いつもひどい目に合わされて、絞められたり殴られたり蹴られたり…弟というより、人として扱われた記憶なんて無かった。



そんな美月が……まさか…。





「二度と星路に手を出すんじゃないぞ?」



チンピラに言い聞かせている美月。




俺の為に……。

俺を守る為に……。





姉さんだ………。

美月は、間違いなく俺の姉さんだ。

姉さん……美月姉さん……。




「姉さん!」




感極まった俺は、抱擁を求め美月に駆け寄った!



姉さんだ!
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