爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「うぜぇっ!!」
「ぶはぁっ?!」


美月へと駆け寄った俺の身体は、無惨にくの字に曲がり、三度目の地面にたたき付けられた!



「何一人で盛り上がってんだよ。キショイ」
「美月っ?!」


なぜにいきなりエルボーをくらわすんだぁっ?!



「美月…俺を助けてくれたんじゃ」
「はぁ?何言ってんだ?」

美月は首を撫でる俺を見下ろし、それから巨乳を揺らしつつ屈み込む。


「あたしは教えてやっただけだよ。星路をいじっていいのは、あたしだけだってね」
「――――っ!」


おもちゃを奪われた子供感覚?!


「ま、運動もしたかったし。たまには暴れないと」

あなた…毎日俺を痛めつけて暴れてるじゃあないですかっ!
あれでもまだ暴れ足りないと?!



恐い―――!!

やはり悪魔だ!
美月は悪魔!

肉親の情なんか無い!
こいつはこの世の終わりまで、自分の事だけを考えて生きていく類の人間だ!


我が道を他人に耕させ、舗装されてから歩く人間だ!


美月だ!
やっぱり美月!


自分勝手で傲慢で心が汚れている!



「誰が汚れてるって?!」
「痛ぇっ!」


心を読まれた上に蹴られた!
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