爆走姉貴ー星路の苦悩ー
ひどい!
何てひどい女なんだ!



チンピラ様も被害者だ!

美月は加害者!
害を加えると書いて加害者!



美月がいると、やっぱろくな事にならねぇ――!!






思わず俺は、地面に倒れているチンピラ様に同情の眼差しを送る。


だが…………。





起き上がったチンピラ様は、何を考えたのか、美月に向かい頭を下げてる!







「すいませんでした!姉さん」




姉さんっ?!




「よしよし、わかったならいいぞ」



偉そうな美月。




「お金も、毎月姉さんの口座に振込みます」

「……!!」



金っ?!







「何考えてんだよ!美月!」

「何って、寄付だよ」

「恐喝って言うんだよ!それは!」



寄付ってのは、そんな自己利益を求める黒いもんじゃねぇだろ?!




「はぁ?恐喝?馬鹿じゃね?あたしの美を保つ為の善意ある寄付だよ。ほら、あたしは世界遺産だから」


世界遺産?!
どこをどういじれば、そんな世界規模に発展するんだよ!

悪魔の遺物の間違いじゃないのか?!




有り得ねぇ!
マジで有り得ねぇ!この女!



.
< 60 / 114 >

この作品をシェア

pagetop