爆走姉貴ー星路の苦悩ー
美月!
お前は本当にカタギなのか?!

手際が良すぎる!
明らかに慣れてるだろっ!




「何をそんなビビってんだよ、星路。失禁するなよ?」

「しねぇよ!」


往来で何言ってやがる!



「まぁ、いいや。飲み直そうぜ。エッグヘッドのおごりで」


おごり?!
つか、エッグヘッド?!


「喜んで!姉さん!」


喜んじゃうのっ?!




わかんねぇっ!
この状況が!
美月がわかんねぇ―――ッ!




行くぞと美月に蹴られ、嫌々に立ち上がる俺。

嫌なのに…逆らえないんだよぉっ!


情けねぇ―!




店へと戻る美月と俺と…エッグヘッド様。


戻りかけた足が止まる。




店の前には、呆然と俺達を見つめている………。






「拓也?」






うあぁっ!
忘れてたぁっ!







「…星路…これは一体……リンちゃん…?」


やべっ!
拓也、目の焦点が合ってねぇじゃん!


そりゃそうだよなぁ…。


美月がエッグヘッドを叩きのめす一部始終を見てたんだろうし。





………いや、待てよ。
つー事は……。


俺と美月の事も……。



………ばれた?
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