爆走姉貴ー星路の苦悩ー
うわぁ――……。





白いミニドレスを風にはためかせ、まるで花畑の中を掛けるひと昔前の恋愛ドラマヒロインばりに走り寄る…美月の姿だぁっ!!








「拓也くん!リン…怖かったよぉ!」







ええええ――――――っっ?!


今更ぁ――――?!








はっ………!

これは…美月の兵器
“とりあえず、ごまかす為に甘えとけ”
だ!





いくら美月の美貌をもってしても、あの暴力行為はごまかしきれないだろ?!






地面にうずくまる俺の隣を、走り抜けていく美月。



ドグッ!

「うっ!」


通り過ぎ様に、俺の脇腹に蹴り入れやがった!







「拓也くん!あたしの全てを受け止めてぇ!」






拓也はそこまで色ボケ馬鹿じゃないさぁ!
もう騙される訳ないだろ?
俺の親友なんだからな!







「望む所だ!リンちゃん!飛び込んで来い!」






はあああっ!!

更に騙されてるぅ―――?!









両腕を広げた拓也の胸に飛び込んでいく美月…。


俺の親友は色ボケ馬鹿だったのかぁっ!!





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