爆走姉貴ー星路の苦悩ー
でも確かに、美鈴と話をしない限りは何もわからないかもな。


正直、別れようとは思わない。

ショックなのは事実だけど、美鈴を信じたい気持ちはある。



今まで俺と一緒にいた美鈴の姿が真実なら、何か理由があるはずなんだ。



キャバクラでバイトした理由が!






「あ……そういえば…」
「何だ」
「美月は、どうしてキャバクラでバイトしていたんだ?」



俺も美月も、小遣いには苦労していない。
それなりに裕福な家庭だから、小遣いだけでも普通に都心のワンルームマンションくらいの金額。




俺の質問に、美月は唇をとがらせた。


「金が必要なんだよ」
「何で」
「うるさいなぁ、別にいいだろ」
「気になるじゃないかよ」


ウザイと言いながら顔を背ける美月。

すねてるみたいだ。





「……手術をしたいんだよ」
「手術?」
「パーフェクトな女になりたいんだよ」


女?


「今のままでも女だろ」
「下の方だよ!下の方!」



ああ…そういやまだ着いてるんだっけ。
美月の姿がまるっきり女だからな。
違和感無かった。




「嫌なんだよ、気持ちは女なのに男があるのは」
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