爆走姉貴ー星路の苦悩ー
そういうもん?



「トイレとかさ、立ったまま用足すのが楽だと思う自分が嫌なんだよ。こんなに美しいあたしが、立ちションなんて」



美しいにこだわらなければいんじゃね?
生理現象なんだし。



「パッドをあてている星路にはわからないかもしれないが」
「あててねぇよ!」


まだ言うか!



「だからな、美鈴ちゃんにも何か理由があると思ったんだよ」
「…………」



そうか。
美月なりに考えてくれていたんだな。

理由か……。



聞かないと理解してやれないよな。
美月にも、手術をしたいからって理由があるんだ。




ここは美月のセッティングに乗り、美鈴に会うべきだよな。





「俺、美鈴に会うよ」




ふぅん…と、興味なさそうに頷いた美月だが、その横顔は微かに笑っていた。














美月がセッティングしたのは、駅前にあるカフェだった。


待ち合わせ時間は、学校が終わる時間に合わせての午後4時。





店内はシックなアンティークぽい感じで、静かなピアノの曲が有線で流れていた。

客は、若いカップルや読者している女性が、まばらにいるだけだった。
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