爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「蔵野さんじゃないすかぁっ?!」


なぜか俺の目の前には、カフェの制服に身を包んだ蔵野さんが!



つーか…制服似合わねぇっ!
ごつい身体に、エプロンが巻き付いてる感じ。
制服の悲鳴が聞こえそうだ!




「何でっ?!」
「申し訳ありません、星路さん。何で?と言うメニューは当店には…」


いやいやいやいや!
メニューじゃなくてさぁ!


「何で蔵野さんがいるの?!」
「自分、この店のオーナーですんで」


オーナー?


「親父が不動産業を営んでおりましてね、まぁ手広くやらせて頂いてますわ」


ますわ…って。



つー事は、この店を指定した美月は知ってたって事だよな?


…………罠かっ?!






「くっくっくっ…」


呆然とする俺の背後から、再び微かな笑い声が……。



明かに楽しそうな…美月の……。





「くくく……三角関係だね」


三角?!
誰と誰と誰が?!





いやダメだ!俺!
振り向いてはダメだ!
突っ込んじゃいけない!


今振り向いたら、余計に状況が悪化する!


忘れろ……。
背後に佇む邪悪な存在は忘れるんだ!





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