爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「こちら、自分からの気持ちっす」


言いながら蔵野さんがテーブルに置いたのは、球状のアイスがうずたかく積まれたビッグパフェ?!




「何すか!これ!」
「星路スペシャルっす」


星路スペシャル?!


「でかすぎですよっ!」


しかもなぜか、てっぺんに盛り上げられた生クリームの上には…。


「……パフェに…ゆで卵?」


どんな組み合わせなんだよっ!
こんな怪しいパフェに俺の名前使うなぁっ!




「溢れんばかりの、自分の気持ちを表現した創作パフェっす」
「……………」




恐ぇ……。

美月とはまた違う恐怖を感じる。
異質な危機感を感じさせるパフェだ。



受け取りたくねぇ――!!







「……大きいねぇ」


いつの間にか、うつむいていた美鈴が顔を上げ、テーブルに置かれたパフェをつついていた。



お?
何か気まずさが薄れてきてる予感?




「美鈴も食う?」
「二人で食べ切れるサイズじゃないよ?」
「確かにな」




顔を見合わせ、吹き出した。


よっしゃ!
美鈴が笑ったぞ!

いい雰囲気じゃないか!
蔵野さんのおかげだな。




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