爆走姉貴ー星路の苦悩ー
バンッ!!

突然、蔵野さんは抱えていたトレーをテーブルに叩き付ける。



その音に、ビクリと肩を震わせる俺と美鈴。


嫌っ!もうこの人!
訳わかんねぇし恐ぇし!


これも美月の嫌がらせなのか?!

そうだ…きっとそうに違いない!

どこかに美月が求めている娯楽要素が仕組まれているに違いない!




くそ――!
美月の野郎!






何か言ってやろうと、俺は美月と拓也が座るテーブルを振り返る。





うわぁっ――っ?!
美月もサービスされたんだ?ビッグパフェ!

でも頂上はゆで卵じゃなくて……あれは……牛タンだ!
スライスされていない牛タンだよ!


なぜに?!

ってソコ問題違うし!


牛タンのインパクト、ハンパねぇな!
一瞬、何が問題で何に怒ったのか忘れちまったよ!



蔵野さんに視線を戻した。


蔵野さんは、恐怖に怯える美鈴を指差し……。





「彼女さん、あなたは…チャンコ鍋を作れますか」


チャンコ鍋?!
いきなり前フリ無しでチャンコ鍋?!

何を言い出すんですか、蔵野さん?!


チャンコ鍋が食べたいんですか?!
ならもう食べに行って下さいよ!
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