男気スイッチ
さおりに挨拶を返し、エレベーターに乗り込む。中には誰も乗っていなかったが、女物の香水の香りがした。爽やかな柑橘系の香りだ。隼人はネクタイを締め直し、エレベーターが5階に到着すると、所属のマーケティング部に向かった。  隼人の所属するマーケティング部のオフィスの向かいに黄色いサウナの看板が見える。 隼人のデスクはちょうど窓際のため、視界にいつもこのサウナの看板がはいってくるのだった。雨の日には、しばしばサウナに行くことがあるが、なぜ雨の日なのかは、特に意味はない。以前部署の後輩に橘先輩は雨の日に限ってサウナにいきますが、どうしてなんですか?。と尋ねられたことがあったが、 『俺がサウナに行くから雨が降るんだなどと言って後輩を、からかっていた。』 そのせいで、隼人は雨男としてキャラが定着していたのだっだ。
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