男気スイッチ
『いってくるね』 そう言い、ななみは他の客のひざ上でドレスの上をはだける形でセクシーダンスを踊るのだった。 隼人のひざ上にも名前も知らない女の子が跨り、セクシーダンスを踊るのだった。 このときの隼人の心境はいささか複雑である。自身の嫉妬を、女の子に悟られまいと 表情をつくらず、葛藤を払拭するかのように、 ビールをぐいと あおった。 ななみがひと通りテーブルを回り、最後に隼人のひざ上でセクシーダンスを踊ってみせた。『どう、楽しんでる?』 『ああ、楽しいよ』 必死にななみの気分を害さないように配慮したつもりだったが、顔に不機嫌が出てしまったらしく、 ななみの表情が曇る。 ダウンタイム終了と同時にボーイが時間を告げにきた。 『そろそろ帰るよバイバイ』