元姫
「俺もだよ、みー」
要の後ろから陽が言った。

「俺にとっても守りたいと思うのはみーだけだ。あの時は仕方なく誓いをたてるフリをしたけど」

陽…。
「皆もそうだよなー?」

要が皆に聞く。

私は気になって後ろを向いた。
皆それが当たり前というような、まっすぐな瞳だった。

皆まで…。

「ありがとう…」

泣きそう。
泣かないように皆に背を向け下を向いた。

「泣いてんのー?」
ニヤニヤきいてくる、下っ端の光。

「な、泣いてないっ!」
私はすぐ涙を拭き、スーパーに向かって再び歩き出した。
< 25 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop