元姫

大きな声を出し過ぎたのか、周りがこちらを見ている。
私は気にせず話を続けた。

「なんでダメなの?」

「だって椎は私のことを好きじゃない。それなのにいつまでも椎を想ってても椎は嫌だと思う」
椎にとって私は必要ないんだろう。

なら私は椎の前から消えるのが一番だ。
「みーの考えてることはだいたい分かったけど消えるなよ、俺らの前から」

なんで分かるのかな。
陽には全てお見通しだ。

嫌、陽だけじゃない。
真人も徹も私が何を考えてるのか分かるみたい。
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