元姫
「とりあえず上行こうぜ」
陽は落ち着いて言っていた。
あんまり驚いてないみたい。
「俺と真人は一応下っ端に話しておくよ」
さっきのことだろう。
話さないわけにはいかないしね。
「わかった」
私と陽は上に上がって、私はやることがあるのでパソコンを起動させた。
よく見ると、キーボードにマニキュアがちょっと着いていた。
誰かが触った跡だ。
たぶん友香だろう。
いつも友香が付けているマニキュアの色だし。
最初はメイクなんて、全然してなかったのに…。
椎と2人でいる事が多くなって友香のメイクも派手になってたな…。
クラスの女子と変わらずパンダに。
それでもいい子だと思ったのに。
パソコンまで触られるとね…。
私はティッシュを1枚取り、マニキュアを拭き取った。
友香は何を調べようとしたのか。
まあ、開けれなかったんだろうけど。
私は長々とパスワードを打った。
さて調べようかな。