元姫
「みーが我慢しているんじゃないかと思って。少しでも気晴らしになればいいなって」
陽…。

陽の言葉に、今まで我慢してきたものが溢れ出した。

「たくさん泣いていいんだよ。溜めすぎちゃだめだ」
陽が背中をさすってくれて、これでもかってくらい泣いた。

「ありがとう…」
5分くらいして落ち着いてきた。

「やっぱりみーは強がっても本当は椎がたまらなく好きなんだね」

「そー…みたい…」

その後はどちらからともなく話すことなく、海を眺めていた。
少しして、陽が時間を確認したところもう19時だった。

「帰ろうか」
「うん」

バイクが置いてある場所に戻り、家まで送ってもらった。


見られているとも知らずに…。
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