訪問者数1万人突破記念!①最後の恋愛 番外 高校生大麦編
けど、浩輔の言うとおり

俺は、生まれて初めて恋をしていた。

ろくでなしの父親の再婚相手なんて、、やっかいな相手をなんだって好きになんかなってしまったんだろう。。

さやかの、横顔を見てるだけで

睫毛の長さに目を細めた時の表情に

いちいち欲情するオスの感情をひた隠しにして俺は家族を装っていた。

さやか、が、この家で母親でいられるように

新婚だって言うのにろくすっぽ帰ってこないクソ親父にケリをつけて離婚するってなら大歓迎だけど

俺のことまで厄介だって思われたらサイアクだし

「隼人くんは、本当に優しい子よね。」

ある日、高校2年の初夏だったかな。

キッチンに立つさやかが、唐突に声をかけてきた。

優しい人ってのは、男にとっては何の褒め言葉にもならないけどな。

俺は、ソファーに座ったまま、

「優しい?」

と問い返した。
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