こじれた恋の終わらせ方
「麗華、煽んな。」


そう言われても、自覚がないからやめようがない。


むしろ、煽ってるのは水野の方だと思う。



「何も、無いから。」


「え?」


「何も準備とかしてなかったから、今日はこれ以上できないから、あんまり煽ってくれるな。」



準備と言われてもピンとこない。




よくわからず、首をかしげると、水野はため息をついた。



「真尋と同じ道を辿ってしまいそうで怖い。」



真尋ちゃん?


やっと言っている意味に気づいて顔が真っ赤になった。


「な、何言ってるの?」



「言っとくけどな、別に子供が欲しくないわけじゃないぞ。ただ、お前の仕事のタイミングとかあるだろ。

それに、兄の威厳として、やっぱり先に結婚しときたい。」



「け、結婚?!」


「俺はそのつもりだけど?まぁ、また今度、もっとちゃんとするから待っとけ。

 ・・・もし嫌なら、逃げるなら今のうちだ。」



水野は真剣な顔で言った。


「嫌じゃない。」



嫌なわけない。そう思うと涙がこぼれた。



その涙を水野は優しく拭ってくれる。


そのままぎゅっと抱きしめられた。




「やっとだ。やっと捕まえた。」



朝から色々ありすぎて緊張して疲れていたのか、水野の腕の中の心地よさに私の意識はそのまま遠のいていった。
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