こじれた恋の終わらせ方
学校一のイケメンがシスコンだろうが私の生活に支障はない。

当時私には好きな人がいた。


同じ部活の瀬戸先輩。

先輩は、優しくて、かっこよくかった。


望みはないとわかっていたけど、それでも想いを伝えたくて、思い切って告白した。



「ずっと先輩のことが好きでした。」


「え?それマジ?」


「はい。」


「それって俺と付き合いたいってこと?」


そこで先輩の雰囲気が変わった。


「いえ。そんなんじゃ。」


怖いと思った。

「だよね~。お前ごときが俺と釣り合うわけないもんな。」


「え?」


「あ、でもお前、処女だろ?もらってやろうか?

 どうせ、お前なんか誰ももらってくれないだろ?」


何を言っているのか理解できなかった。

目の前に立っているのが全く知らない人に見えた。


おもむろに先輩の手が伸びてくる。

それでも足は動かない。


思わず目をつぶった時、私の体は前じゃなくて後ろへと引っ張られた。


「その辺でやめとかないと、冗談じゃすまなくなりますよ。」


振り向くとそこには水野が立っていた。


「お前には関係ないだろ?」


「まぁ、関係ないちゃーないんですが、良いんですか?

 束縛のキツイ彼女にばれちゃっても。」


水野の一言に先輩は顔をゆがめ、悪態をつきながら去っていた。


「お前、見る目なさすぎ。」


「うん。」


「まぁ、お前がもらい手がなさそうなんて、さっきの先輩も見る目ないけどな。」


思わず見ると、頭に手が乗った。


ポンポンとされて。


「あんな男のことは忘れろ。」


と言われた。
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