こじれた恋の終わらせ方
のぞみと別れたのは卒業式の日だったから、それからのぞみにも九条にも会うことなく大学に進学した。
俺はモヤモヤした感情を心のどこかに抱きながら大学生活を送った。
のぞみの言葉を否定したくて、九条のことは必要以上に考えないようにしていた。
初めこそ、そんな俺だったが、時が経つにつれてそんな感情も薄れ、彼女もできた。
そんなある日。
「千尋の高校生の時の写真とかみたいな~。」
付き合い始めの彼女に言われた。
「写真何てねぇよ。」
「えぇ~携帯に写メとか残ってないの?」
そう言われて、携帯の画像フォルダを見ると、約一年前。高三の時の体育祭の写真が残っていた。
「あぁ、あるな。」
彼女に携帯を渡すと、彼女はそれをじっと見ていた。
「元カノとかいるの?」
そう尋ねられて、携帯を覗き込むと、仲の良かった奴ら数人で撮った写メが表示されていて、そこにはもちろん元カノののぞみも映っていた。
「これ。」
「消して。」
「は?」
「は?じゃなくて、消してって言ってるの。元カノの写メ残してるなんて無神経じゃない?」
そう言われてみれば、まぁ確かにそうだなと思って、彼女の言い方にちょっと苛立ちながら、のぞみの映っている写メを消去した。
彼女はそれを確認した後、俺に携帯を見せながら言った。
「この人、イケメンじゃない?仲良かったの?」
そう言って差し出した写メには、応援団をしていた学ラン姿の九条が映っていた。
思わず吹き出しそうになりつつ、九条が女であることを言おうとして俺はその口をつぐんだ。
九条が女だってばれたら、その写メも消せって言われるかもしれない。
そう考えた途端、俺は何も言えなくなった。
俺はモヤモヤした感情を心のどこかに抱きながら大学生活を送った。
のぞみの言葉を否定したくて、九条のことは必要以上に考えないようにしていた。
初めこそ、そんな俺だったが、時が経つにつれてそんな感情も薄れ、彼女もできた。
そんなある日。
「千尋の高校生の時の写真とかみたいな~。」
付き合い始めの彼女に言われた。
「写真何てねぇよ。」
「えぇ~携帯に写メとか残ってないの?」
そう言われて、携帯の画像フォルダを見ると、約一年前。高三の時の体育祭の写真が残っていた。
「あぁ、あるな。」
彼女に携帯を渡すと、彼女はそれをじっと見ていた。
「元カノとかいるの?」
そう尋ねられて、携帯を覗き込むと、仲の良かった奴ら数人で撮った写メが表示されていて、そこにはもちろん元カノののぞみも映っていた。
「これ。」
「消して。」
「は?」
「は?じゃなくて、消してって言ってるの。元カノの写メ残してるなんて無神経じゃない?」
そう言われてみれば、まぁ確かにそうだなと思って、彼女の言い方にちょっと苛立ちながら、のぞみの映っている写メを消去した。
彼女はそれを確認した後、俺に携帯を見せながら言った。
「この人、イケメンじゃない?仲良かったの?」
そう言って差し出した写メには、応援団をしていた学ラン姿の九条が映っていた。
思わず吹き出しそうになりつつ、九条が女であることを言おうとして俺はその口をつぐんだ。
九条が女だってばれたら、その写メも消せって言われるかもしれない。
そう考えた途端、俺は何も言えなくなった。