こじれた恋の終わらせ方
結局、その彼女とは長く続かなかった。


他の男と外を歩いていると聞いて彼女に真意を尋ねた。


「千尋君は、私のこと好きじゃないのよ。」


どこかで聞いたセリフだなと思いつつも、急速に彼女への想いは冷めて行った。


「好きじゃないのはお前の方だろ?」



他の男と出かけといて何言ってんだ。


「それは、千尋君が私のこと好きじゃないから!!

 私は、愛されたいだけなの。」


そう言って悲劇のヒロインぶって泣く彼女に嫌気がさした。


もともと、付き合いながらどこか違和感を感じていた俺は、もう彼女と付き合い続けるつもりはなかった。


「じゃあ、愛してくれる男と付き合えば?」


そう言って彼女のもとを去った。



それから、大学三年の時にできた彼女と卒業まで付き合ったが、県外に就職が決まった彼女に遠距離は無理だと別れを告げられ、卒業と同時に別れた。


その時に、彼女に笑いながら尋ねられたのだ。


「ねぇ、少しは私のこと好きだった?」

と。



浮気したこともない。自分は一途に彼女を思っているはずなのに、どうしてもそれが相手に伝わらない。



それが俺を不安にさせた。


俺は、恋愛とかそういうのに向いてないんじゃないだろうかと。
< 33 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop