こじれた恋の終わらせ方
「どういう意味?」


動揺しつつも、それを悟られないように俺は尋ねた。


「そのままの意味。大学時代さ、何回か仲良いメンバーで集まったじゃん。

 あの時、千尋、麗華が来るとき、絶対に来なかったよね?」



「いや。それはたまたま・・・」


「ホントに?不自然なくらい麗華を避けてなかった?」


そう言われて俺は答えられなくなった。



確かに大学時代、高校時代仲の良かったメンバーが集まって飲む機会は何度かあった。いつも幹事を買って出てくれる奴がいて定期的に集まっていたのだ。

確かにそこで、九条に会った記憶はない。



「でも、のぞみとも会わなかったじゃん。」


「それは、別れてた相手と鉢合わせしないように気を使ってくれてたんでしょ。」


「じゃあ、九条がのぞみが行った時にしかいなかっただけじゃない?」



「違うわ。幹事やってくれてたてっちゃんに、大学三年くらいの時に言ったの、もう千尋のこと気を使ってくれなくていいよって。そしたらてっちゃんわかったって。言ったの。それでも千尋には会わなかった。

 メンバーの中で千尋と会ったことないのは、私と麗華だけだった。」


食い下がらないのぞみに少し苛立った。



何故今更こんな話をされなければいけないのか。



すると、俺が苛立ったのに気付いたのかのぞみは気まずそうにうつむいた。



「ごめん。責めたいんじゃないの。」


「いや、俺は別に・・・」



気まずい雰囲気が流れた。
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