こじれた恋の終わらせ方
「何で今更そんなは話すんの?」


そう尋ねた俺に、のぞみは曖昧に笑った。


「大学に入って、思い知ったの。」


「思い知った?」


「千尋ほど高スペックな男で誠実な男はなかなかいないって。」


「どういうこと?」



「イケメンは浮気性ってこと。」



「そんなことないだろ?」


極論だと笑うと、のぞみは眉間にしわを寄せて渋い顔になった。



「そんなことあるのよ。とにかくね、思い知ったの。私は千尋にちゃんと大事にされてたんだなって。

 それなのに、最後にひどいこと言ったなって思って謝りたかったの。」



「別に・・・気にすんなよ。」


そういって俺はビールに手を伸ばす。




「麗華、綺麗だったね。」



「っ!!」


思わず飲んでいたビールを吹き出しそうになった。


「ねぇ千尋、今日の麗華見てどう思った?」


「どうって・・・」



「待って、言わなくていい。言わなくていいから考えて欲しいの。ちゃんと。」


そう言ってのぞみは俺を制した。


「私ね、麗華のこと大好きなの。昔は千尋のことも大好きだったけど、今は麗華のことが圧倒的に好き。」


突然の告白に、思わず笑った。


笑った俺を見て、のぞみも笑う。


「だからね、麗華には幸せになって欲しいの。」



だから何故それを俺に言うんだ。
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