こじれた恋の終わらせ方
「一個相談してもいい?」


「何?」



元カノに相談するのもあれかと思うが、元カノであるのぞみなら答えを知ってるような気がした。



「俺さ、恋愛に向いてないみたいなんだよね。」


「たとえば。」


「ぶっちゃけ、大学時代の彼女にも私のこと好きじゃないでしょみたいに言われてさ。」


「・・・。」


「ごめん。やっぱりのぞみに相談することじゃなかったよな。」



のぞみの冷たい視線に耐えられなくて、目をそらすと、のぞみはため息をついた。



「たとえば、どんな時に言われたのよ。」


「いや、別れるときに。就職で県外に行くって彼女が。遠距離は無理だから別れようって言われて・・・その時に。」


さらに冷たくなっていくのぞみの視線に声が尻すぼみになっていく。


「それって当然、俺は君のことが好きだから、遠距離でも別れたくないって言ったのよね?」


「・・・言ってません。」


「言えなくても、心の中で思ったのよね?」


「・・・思ってません。」


「自業自得じゃない?」



「何か、すいません。」



小さくなった俺を見てのぞみはまたため息をついた。



「しっかりしてよ。私の高校時代の思い出台無しにする気?」


「すいませんでした。」


返す言葉もない。


「大丈夫よ。」


「へ?」


「千尋はちゃんと相手を大事にできるわ。私が保証する。」


「のぞみ・・・」



「話はおしまい。飲んだら帰るわよ!!」


のぞみはそう言って残ったビールを飲み干した。









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