こじれた恋の終わらせ方
すっと高揚していた気持ちが冷めていくのがわかる。



何も考えられなくなった俺は、どうやって家に帰ったかも曖昧だ。




とりあえずシャワーを浴びてただ呆然としていた。



何が起こったんだ?



何で麗華はいなかった?


何でスマホから連絡先が・・・そこまで考えて頭を振った。



これ以上は考えたくない。


いや、考えなくても答えなどわかっている。



だが、それを認めたくないのだ。




麗華が俺との関係を切りたがっているなど。





何もする気が起きない。


ただひたすらボーっとしていた。



その時、スマホの着信を知らせる音楽がなった。



もしかして、麗華か?そう思って画面を確認すると、そこには『真尋』と表示されていた。


真尋とは仲は良いほうだと思うが、頻繁に連絡を取り合う中でもない。


ましてや電話なんて前にかかってきたのがいつかも覚えていない。



正直、結婚が決まって幸せいっぱいの妹と話す気分じゃなかったが、めったにない妹からの電話に俺は通話ボタンを押していた。



「もしもし、真尋?」


『あ、すいません。お義兄さんですか?』



聞き覚えのある男の声がした。






・・・・やっぱり出るんじゃなかった。
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