Mysterious Lover
箱……?
30センチ四方くらい、ホールケーキが入るような箱。
きれいに包装紙がかけられて、赤いリボンが結ばれている。
——マタ僕カラノ、プレゼントアゲルヨ。
さっきの言葉が、よみがえった。
まさか、まさか、これ……?
辺りを見回しながら、のろのろと箱に近づいた。
綺麗なカードが添えられている。
カードには……「Present for you」の文字。
どうしよう……
こんなところに置かれて……どうすればいいのよ?
迷った挙句、わたしは腕をのばして、スマホの先でつんつん、突っついてみたけれど、特に何かが飛び出してくる、ということはなさそう。
もう少し近づいて……。
リボンをひっぱってとき、ゆっくり、ゆっくり、ふたを取り上げる。
「きゃっ!!」
わたしはふたを放り投げ、その場に尻もちをついてしまった。
ガタガタって、手が小刻みに震えだす。
箱の中には……猫が。
頭部と胴体が切り離された、猫の死骸が入っていた。