Mysterious Lover
13. ヒーローは白スーツで現れる
カタカタカタカタ………
毛布をかぶっても暖房をつけても、何をしても震えが止まらない体を、ひたすら両腕で抱きしめて押さえる。
部屋の隅に、わたしは子どもみたいに小さく丸まって、座り込んでいた。
動けなくて。
どこにも、いけなくて。
ガタガタガタガタ……
震えが、止まらない。
あいつ、この部屋の場所、もう知ってるってことよね。
もし……いきなり入ってきたら……?
どうしよう……どうしようっ……!
なんでよ? わたしが何かした?
早く、お願い、早く朝になって……!
でも、カーテンの向こう、黒い闇は、まだまだどいてくれる気配はない。
警察、警察に行かなきゃ……