Mysterious Lover
『今日、オレ、ひどい態度とって……ほんと、ごめんなさい』
「あ、あぁ……」
ひどい態度、ではなかったと思うけど……。
『奈央さんと部長のこと……実は前から気づいてた。でも実際目の当たりにすると、想像以上にダメージ大きかったみたいで……なんか妬けて仕方なくて……ごめんなさい。ガキみたいに態度に出したりして……。どうしても謝りたくて、こんな遅くに連絡して、すみません』
「う、うん……気にしてないから」
声が裏返りそうになって、急いで咳払いでごまかした。
『奈央さん?』
拓巳の声が、低くなる。
『何か、あった?』
「え……?」
『声、なんか泣いてるみたいだ』
「あ、あの……っ」
スッと、拓巳が息を吸い込んだ気配がした。
『……今、どこ?』