Mysterious Lover

◇◇◇◇
聞き終わると、拓巳はイライラと髪をかき上げた。
「奈央さん、どうしてそういうことすぐ言ってくれないかな、何遠慮してんだよ」

「遠慮っていうか……単なるいたずらだと思って」

「いたずらじゃない。犯罪だろ？」

「うん、そう……だよね」

大きくため息をついて、拓巳は腕を組んだ。
「これさ、オレちょっと調べてみるから」

「え？　で、でも拓巳には関係ないし。わたしの問題だし」

途端、ガクッと肩を落とす拓巳。
「奈央さん、関係ないとか言わないでよ。かなり傷つく」

「ご、ごめん……」

「前も言ったけどさ。オレのこと、マジで頼って。部長に比べたら、まだまだガキかもしれないけど。それでもオレ……奈央さんのこと、守りたい」

迷いのない目で、まっすぐわたしを見つめる。
「奈央さんのこと、好きだから」

その眼差しは、熱くて、熱すぎて。
わたしは受け止めきれなくて、目をそらした。