Mysterious Lover

「ちょっと田所! 何怖がらせてんのよっ」

「あ……そそそうだな! ごめん」

手を合わせる田所に、わたしは「ううん、大丈夫」って笑顔を向けた。
でも、内心はドキドキしていた。

確かに、最初は無言電話で……昨夜はあの箱……。エスカレートしているような気も……。


「彼氏はなんて言ってるんだ?」

「え?」
わたしはぽかんと田所を見た。

「彼氏だよ。セフレっぽいんだか知らねえけど、いるんだろ?」

「あ……えっと、まだ話してない」

「ええっ?」

翠と田所がぎょっと身を乗り出す。
そそそっか、そうだよね……工藤さんに相談するのが先だよね。

「やっぱりお前さ、そいつのこと、本気じゃないんだろ?」

「ち、違うよ。たまたま話すタイミングがなかっただけで」

「でも、カメちゃんには話したんだよね?」
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