Mysterious Lover
嫌な予感がひらめく。
盗聴!?
わたしはガチャン! 叩き付けるみたいに電話を切った。
「どこに? ……エレベーターの……中?」
どうしよう……社内に、盗聴器が……ある?
盗聴器だけじゃない、盗撮……カメラとか?
今もどこかから見てるとか?
やっぱり……社員が犯人なの?
鼻の奥がツンとして、わたしはギュッと両手を握りしめた。
泣くな! 泣いたって何も解決しないでしょ!
こんなところで泣いたら、犯人の思うつぼよ。
そう思うけれど、体がガタガタ震えて、もう仕事どころじゃなかった。
落ち着いて……落ち着いて!
落ち着きなさいったら!
その時脳裏に浮かんだのは……