Mysterious Lover
◇◇◇◇
「盗聴器か……」
拓巳は腕を組んで唸った。
「確かに、停電のタイミングも出来過ぎてたし、その可能性は高いかもしれないな。……奈央さんのカバンとか……」
「わ、わたしの!?」
並んで座っていたソファから、思わず腰を浮かしかけたけれど。
「あ、でも」って、再び腰を下ろす。
「あの時わたしが持ってたものって、お財布と携帯くらいよ?」
屋上で翠たちと話した後だから、カバンは持ってなかった。
「とすると……エレベーターの中、とかかな。きっと、もう回収されてるだろうけど」
エレベーターの中……
あの拓巳との会話を全部聞かれてたのかと思うと。
う。考えたくない……。
「そいつ、うちの社員かもって言ってたよね?」
「う……うん」
「荷物にも、気を付けた方がいいかもしれない」
「え?」
「これから先、同じようなことが起きるかもしれないってこと。社員なら、奈央さんが席を立ってる間に、いつだって盗聴器しかけられるし。カバン、引き出しの中に入れてるだろ?」
「盗聴器か……」
拓巳は腕を組んで唸った。
「確かに、停電のタイミングも出来過ぎてたし、その可能性は高いかもしれないな。……奈央さんのカバンとか……」
「わ、わたしの!?」
並んで座っていたソファから、思わず腰を浮かしかけたけれど。
「あ、でも」って、再び腰を下ろす。
「あの時わたしが持ってたものって、お財布と携帯くらいよ?」
屋上で翠たちと話した後だから、カバンは持ってなかった。
「とすると……エレベーターの中、とかかな。きっと、もう回収されてるだろうけど」
エレベーターの中……
あの拓巳との会話を全部聞かれてたのかと思うと。
う。考えたくない……。
「そいつ、うちの社員かもって言ってたよね?」
「う……うん」
「荷物にも、気を付けた方がいいかもしれない」
「え?」
「これから先、同じようなことが起きるかもしれないってこと。社員なら、奈央さんが席を立ってる間に、いつだって盗聴器しかけられるし。カバン、引き出しの中に入れてるだろ?」