Mysterious Lover
拓巳の手が、カットソーをするするってたくしあげて、素肌に触れる。
「やっ……」
そのまま鳩尾に、湿った感触が落ちて。
拓巳の唇が、舌が、素肌をめぐる。
ちゅ……
濡れた唇のたてる音が、たまらなくイヤラシく響く。
「ん……っ……」
わたしは、自分を、自分の声を、喘ぎを、コントロールすることが次第に難しくなってしまう。
「やっ……だめ……あっ」
拘束されてるわけじゃないのに、わたしの体は麻痺したみたいに動かなくて。
彼のことを拒めない。
悪戯な指は、ウエストから下へ……足の方へ、すべり降りていく。
ゆっくりと、焦らすように、何かを、確かめるように。
拓巳の唇は、手は、あまりに気持ち良すぎて。
ドラッグみたいに、わたしを酔わせるから。
よすぎて、わたしは本能的に、これはまずい、と拓巳から体を離そうとする。
一度囚われたらきっと、もう逃げられない。