Mysterious Lover
19. 朝、そして新たなプロブレム
「んっ……」
目を開けると、カーテンの隙間から光が見えた。
んんんっ!
ベッドの中で伸びをしていると。
昨夜の出来事が、フラッシュバックする。
泣いて泣いて……その後。
そのまま眠ってしまったわたしを、また拓巳がベッドに運んでくれたみたい。
台風一過の青空みたいに、なんだか体の中が澄んでいるような。
拓巳の……おかげかな。
体を起こすと、ソファの上、毛布にくるまって眠る拓巳が見えた。
目を覚ますと、1人じゃない。
それって、こんなにも心地よかったっけ?
そっとベッドから抜け出して、ソファへにじり寄る。
やっぱりきれいだな。
長いまつげが、無防備に眠るその頬に影を落として、少し幼く見せてる。
顔を見てるだけなのに。なんだか胸の奥が温かくなって、甘いうずきが走る。
指の先、細胞の1つ1つまで、柔らかいもので満ちてるみたいなこの気持ち……なんて表現すればいいんだろう。
いつまでも、見つめていたいと思ってしまう、このくすぐったいような、温かな気持ちは。