Mysterious Lover
「んっ! 何、めちゃくちゃうまい、この味噌汁っ! なんか、DNAが喜んでる感じがする」
パクパク、ゴクゴク。
一瞬も箸は止まらず、食が進んでいく。

「何よそれ、大げさすぎ」

「大げさじゃないって。マジでうまいもんこれ」
料理上手って言えるほど、普段から作ってるわけじゃないから……だからなんだか照れくさいけど。
食べてくれる相手がいるって、こんなにも幸せな気分なんだなぁ。


「なんかいい。こういうの。新婚さんみたいで」

「しっ……な、何寝ぼけたこと言ってんのよっ!」

「照れてんの奈央さん、かわいい」

「た、拓巳が変なこと言うからでしょっ!」

「奈央さん、『あなた』って言ってみて」

「言わないわよっ!」

「ねー1度でいいから!」

「絶対、言いませんっ!!」

あははははは奈央さんゴージョーだなぁ……
拓巳の笑い声が、小さなダイニングに響く。
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