Mysterious Lover

「おれも、お前を応援することにする。沢木を幸せにしてやってくれ」

ちょちょちょっと田所!? 何その花嫁の父、みたいな発言は?

「ありがとうございます」
亀井くんと、翠と田所、ニッて笑顔を交わして。

「じゃ、うちら、お先に」って、出て行ってしまう。

「ちょ、ちょっと待って。わたしも一緒に……」

立ちあがろうとしたわたしの手を、ギュッて亀井くんがつかんだ。

「え……亀井、くん」

「オレに一人で食えって言うんですか?」

「え、だって……」

ニッコリ、また例の微笑だ。
う……この顔、凶器に見えてくる。
わたしは仕方なく座り直した。


——ねえねえ、あの人見て。あそこの窓際の。すっごいかっこいいよぉ。
——モデルじゃない? 足長いよ〜。顔ちっちゃい〜!
——どこの会社の人だろ? この近くかな?

チラチラ注がれる視線も、彼は一向に気にしてる様子はない。
「うまっ! やっぱ日本ってイチイチレベル高!」
なんて、気持ちいいくらいの勢いでどんどん平らげてる。
慣れてるのかな?
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