Mysterious Lover
わたし……
彼を信じちゃ……だめかな。
信じたい。
それが、わたしの、ごまかしようのない本音だった。
彼の言葉と、包み込んでくれた腕と、笑顔と。
信じたい。
ほんとうに、拓巳は呼び出されただけなのかも。
よくよく考えてみたら、ストーカーにとっては一石二鳥の仕上がり、ってことにならない?
わたしは拓巳のことを疑い、怯えて、そして拓巳は病院で治療を受けてる。
ストーカーは、わたしたちの仲を裂こうとしたのかも。
そう思うと、なんだかだんだんそっちの方が正しい気がしてきた。
うん。
拓巳が目を覚ましたら、もう一度ちゃんと話をしてみよう。
「あ……服、だっけ」
そうだ、ひとまず、服を取ってこなくちゃ。