Mysterious Lover

断捨離できて。すっきりしたはずなのに。


どうして?


どうして……眠れないの?

何度も寝返りを打って、睡魔を待ちわびた。

でも、ちらっともその気配はなくて。


原因は…………

わたしはギュッと目を閉じて、再び寝返りを打った。


だめだ。
眠れない……。



わたしはとうとう布団をはねのけると、コートを羽織って、外に飛び出していた。

1階に駆け下り、ゴミ捨て場へ向かう。
その片隅に、わたしが出したゴミ袋が山を作っていた。

それをかき分けて、中の1つをぐいぐいって引っ張りだす。
すっかりかじかんで感覚のなくなった手で、必死に結び目をほどいた。
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