Mysterious Lover

え、何? 今、誰か亀井って……言った?

ドキンドキン……

胸の中、不安が膨れ上がる。

「え、え、どうしたんですかぁ?」
加藤ちゃんが近くの社員に駆け寄り、パソコンを後ろから覗き込む。

「えええっ!?」
加藤ちゃんが叫んで、わたしを手招きする。
「見てくださいよこれっ! ほら沢木さんっ!」

何? 一体……何が?
わけがわからないまま、画面を見せてもらう。

「今、全社員に一斉メールで届いたみたいですよ」

デスクトップには夜の歓楽街らしき一枚の写真。

そこには、ネオンに照らし出された青いゲートの脇で、女性の手をにこやかに取る、拓巳の姿がしっかり写っていた。

「これって、どう見てもホストとお客、ですよね? 亀井さんて、ホストやってたんですかね?」
興味しんしん、て様子で加藤ちゃんが食い入るように画面を見てる。

な……んで?
なんで、こんな写真……?
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