Mysterious Lover
「あ、いいじゃん。奈央は結構料理うまいよ。さっそく今夜とか作ってあげれば?」
「ちょっと翠!?」
「じゃ、お邪魔しちゃおうかな。そのまま朝まで」
「あああ朝っ!?」
ブブッて亀井くんが吹きだす。
「ほんっと奈央さん、イチイチ反応が、マジでツボ。かわいすぎる」
ぐって詰まる。こ、この男……
「大丈夫だよ。そんな怯えなくても、冗談ですって」
う……またからかわれたっ!
なんでこんな年下に毎度毎度主導権握られてるのよ、わたしっ!
「それじゃあ……と」
チラって視線をわたしに落とす。
「たくみ、って呼んでよ。奈央さん」
「は?」
「さっきのお礼に、これからは『拓巳』って、呼び捨てにして。オレのこと」