Mysterious Lover
途端、真っ白な店内の光が、網膜を焼く。
磨かれた床につんのめるように倒れ込み、わたしはゼイゼイって思いっきり肩で息をした。
汗がどっと噴き出して、キャミがベタって背中にはりつく。
「あのぉ……大丈夫ですか?」
店員がレジから顔をのぞかせた。
それには答えず、荒い息のまま後ろを振り向いて。
でも。
ほらやっぱり。
誰も……いない。
街灯に照らし出された夜が、広がっているだけだ。
やっぱり。
気のせい……だよね?