同期の彼と私のカンケイ
定時間際の仕事中、コピー用紙の補充をしていると横から声がかけられた。

「あ、紗雪、ここにいたんだー」

同期で総務部所属の美奈子だ。色白で、ぽちゃっとした体形の愛嬌がある可愛い子で、一部の男性社員に人気があると、噂に聞いている。本人は、まったく自覚がないみたいだけれど。

「ね、紗雪。今年のイブも『独り身会』行くでしょ?」

「ああ、うん。行く。確か七時半からだったよね?」

「うん。今年こそ、イイ男捕まえて、大みそかの夜を一緒に過ごさなくちゃね!」

美奈子はにこにこしながら手帳に何やら書き込んで、いそいそと立ち去っていく。きっと、他の女子社員の出欠を聞きに回るのだろう。

彼女のいう『独り身会』というのは、一人寂しくイブの夜を迎える独身男女のクリスマスパーティで、シティホテルで開催されるもの。

受付で会費さえ払えば誰でも参加できる一種の合コンであり、毎年少なからずのカップルを生み出しているパーティだ。

私も三十歳一歩手前だし、逸樹との関係はセフレから進歩しそうにないし、そろそろ本気で新しい恋を見つけてみようかな。
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